Ukulele
2025/1/15
バーフレット
バーフレットについて
通常は頭が丸いキノコような”T型フレット”が使用されていますが、マーチンも1934年までは板状のフレット”バーフレット”が使われています。
↓1920年代のディットソン
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ビンテージ・マーチンのサウンド再現がテーマのブランド”NOSTALGIA”では、バーフレットのオプションがあります。
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NOSTALGIAのルシアー斉藤さんは、古楽器製作の専門家ですのでバーフレットはお手のもの。
とはいえ、バーフレットとしては販売されてませんので洋白板から手作り。
真鍮よりも硬い素材を、機械を使わず1本1本ノコギリで製作されてます。
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製作時は本物を横に置き比べながら、細部まで忠実に再現。
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フレット端の処理も、現在よく見かける方法と少し違いますね。
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デメリットしては、指板に出ている部分が丸くアーチ状になるT型フレットに対し、バーフレットは指板から出る部分が細い板状態(凸に近い形)なので、ポジション移動でスライドした時に、少し引っ掛かりを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
↓上が通常のT型、下がバーフレット
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それでも、バーフレットを採用しているのは…
やはり”音”が違うから。
斉藤さん曰く、
バーフレットはフレットと指板溝との密着度が高くなる = ネック強度が上がる = 振動伝達性もよくなる = 鳴りがよくなる。
フレットを一から作るのは大変ですけど、ネックの鳴りも変わってやっぱり音もいいですよ、とのこと。
“音が良い”と感じられる製作方法を模索すると、結局プリウォー・マーチンの手法にたどり着くようです。
機会があれば、店頭でNOSTALGIAのバーフレット仕様をお試しください!
また、ビンテージマーチンのリフレットなどもご相談くださいませ。