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工房

2024/11/2

Sol Anemo

1974年生まれ、奈良県在住のルシアー中西秀樹氏。
プロミュージシャンらのセッティングや、専門店からの修理などを行いつつ、
Sol Anemo (ソル アネモ)というブランド名でアーチトップ、フラットトップ、エレキギター&ベース、マンドリンなど、
ありとあらゆる種類の弦楽器を20年以上製作されている腕のいい孤高の製作家さんです。

製造本数もかなり少なく、基本的にミュージシャンの要望に応じて、
通常ショップでは扱っていないちょっと特殊な楽器を作られているので、
店頭で見かけることはほとんどないと思います。

しかもウクレレの製作は当店分くらいですので、ウクレレファンには馴染みがない名前かと思いますが、
独創的なデザインと高い製作技術で、唯一無二の楽器を生み出す素晴らしいブランドです。

加えて、中西さん自身がミュージシャンということもあって、プレイヤビリィティー抜群なのも特長です。
(ちょうど今、11月初旬、Y2K24- International Live Looping Festival 出演のため渡米されてます。)

まずは先日完成した作品2本をご覧ください。
両方とも裏板削り出しのアーチバック・テナーです。

1本目、
ワンピースのカーリー・クラロウォールナット・バック、
サイド、ネックもクラロウォールナット、
シンカーレッドウッド・トップ、
ハカランダ指板&ブリッジ、
ハワイアンコア・バインディング、
ウェーバリー・チューナーです。
詳しくはこちら

2本目、
サイド&バックはカエデ、
アディロンダックスプルース・トップ、
ハカランダ指板&ブリッジ、
シャートラー・チューナー、
フルボディ・ブラウンサンバースト。
普段マンドリンなど作られてるので、カラーリング、サンバーストはお手のものです。
詳しくはこちら

立体的なサイドポートのデザイン。

カッタウェイのヒール部分は、角がなくてとてもスムーズ。

いかがでしょう?
個性的なデザインなんですが、なぜかまとまっていてかっこいいんですよねー。
ウクレレなのに全然可愛くありませんけどね。

ちなみに、基本楽器が演奏されてる角度(=横向き)でデザインされてるとのこと。
で、作りにくそ〜なデザインを図面におこして、どうやって作ろうかな…と考えるのが楽しいそうです。
変態ですね。

Sol Anemo は全てボディシェイプなどのデザインを一から考えて製作されるワンオフもので、
基本同じものを作らないブランドなんですが、
この左右非対称ウクレレデザインは、うちのアイデアをもとに作っていただいたオリジナルシェイプでして、
僕自身かなり気に入ってるので、同じ型を使って製作をお願いしています。

こちらはハワイアンコア・テナー。これはアーチバックではありません。
↓後ろ姿を見ると結構非対称なのがわかると思います。


ご本人に軽く弾いてもらいました。
アーチバック独特の、深くて甘い、密度の濃い音色で、サスティーンも長いのでとても気持ちいいです。



次回作品の打ち合わせ。
ハワイアンマンゴーボディ&ネックのアーチバックテナーとかどうでしょうね〜と相談中。

工房の写真と、以前の作品です。

アーチバック・テナー↓
ワンピースのカエデ・バック、トップはベアクロウ・ムーン・スプルースです。

こちらマスターグレード・ハワイアンコアを使用したテナー↓

年間に2本程度しか入荷しませんので、ぜひ店頭でチェックしてください!