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2024/9/6

ハワイアンコア のグレード

店頭でたまに聞かれる質問の1つ、ハワイアンコアのグレード について。

一般的に木材の良し悪しは、乾燥状態、強度、柾目か板目か、節があるか、などなど、たくさんの要素を総合的に判断しますが、楽器用に製材されたハワイアンコアのグレードに関しては、「杢目」の具合が大きな要素となっています。

ちなみに、
「木目」は年輪模様、
「杢目」は基本的にはカール(縮杢)やキルト杢など、年輪ではない模様のことで、
全ての木にあるわけではなく、杢がある方が珍しくて、高価になることがほとんどです。
↓写真左はカール(コア)、右はキルト(メイプル)、両方とも最高級だと思います。

さてグレード分けですが、
ハワイアンコアの場合、牛肉のように”A”の数で表記されることが一般的で、”5A”が最高。
ただ、きっちりとした基準がなく、あくまで主観、材木屋やビルダー、ショップの独自基準なので、単なる目安くらいと思っておいた方がいいかと思います。

うちもカスタムオーダーの価格設定や在庫管理の便宜上、ストックしているコア材は一応全てグレード分けしてます。
こんな感じです。

*2A以上は、基本「柾目」から「ほぼ柾目」です。
・A  = カール無し、板目。(基本的にうちでは使用してません。)
・2A  = カール無し、もしくは一部にうっすらカール有り。
・3A  = カール有り。面積の半分以上がカーリー、あるいは全体的にうっすらカールがある、など。
・4A  =  全体的にカールがはいった材。
・5A  =  全体的に深くカールが入った材。

加えて、”+”を足してもう少し細かく、
3Aと4Aの間くらいの杢だったら”3A+”とか、
5Aでもピッチが超細かかったり、カラフルだったり、派手だったりすると”5A+”とか、
あと、パターンの中に節が入ってたりすると1ランクダウンしたりしながらグレード分けをしています。
くどいようですが、うちのガイドラインです。

(↓塗装した感じがわかりやすいように濡らして撮影してます。)

Screenshot


ただ、販売時、オンラインショップのコメント等では”A”で表記はしておらず、下記のような感じで表記・分類をしています。

・Curly koa = カールが入ってる、3A程度の場合、
・Premium 〜 = 上質な材にアップグレード、3A〜4Aの場合、
・Master grade = 最高グレード、5A〜の場合に使ってます。

↓グレードいえば2A、いわゆる杢のないシンプルなコアはこんな感じです。

↓カーリーコア 、プレミアムカーリーコア。グレードで言うと3A〜4Aくらいの感じ。

↓マスターグレード。

ハワイの材木屋さん、ビルダーさん等、現地のいろんな方から10年以上にわたって結構な量のコアを買っていますので、ある程度の共通認識ある、恥ずかしくない、平均的なグレード分けかな?とは思ってますが、とはいえこれも独自基準ですのでご参考まで。

あと最後に、カールと「音」との関係について。
これもたまに聞かれる質問です。
諸説ありますが、ひとまずは関係ないと思って選ばれた方が無難かな、と思います。
厳密にはいろいろあるとは思いますが、音はメーカーや職人さんの考え方・作り方が大部分を占めると個人的には思いますので、ぜひ現物を弾いてみて判断してください。

コアを長い間取り扱ってる方の間では、グレードについてなんとなく共通認識はあったとは思うんですが、最近特にわかりにくくなってきているようにも感じます。
何段階評価かわからない”5A”や、マスターとは言い難い”マスターグレード”を見かけると、個人的には「どんな基準?」と聞きたくなりますが、結局誰が正解ということは無いので「グレード表記は独自基準で参考程度」と覚えていただければ問題ないかと思います。